はらはらと、落ちた。ただ僕はそれを呆然と見つめる。止まりそうにない落ちていくソレは特に珍しいものではない。
ただ僕は何故か魅入ってしまったんだ。(今でも何故あの時そうなったのかは分からない)
受け止めようと両手で抑えようとしたが、余計に溢れた。そっとソレと同じような軌道を描いて指でなぞる。
柔らかくて温かい。そっと拭っても、まだ止まりそうにはない。
これではどうしようもない。僕はどうして良いかすらも分からない。所詮、僕はまだ子どもなんだ。


「ねえ、。泣かないで。君は泣く必要なんて一つもないんだ」


優しく抱きしめての耳元で囁く。それでも状況は変わらない。小さく溜息をつく。
やっとそこでは震える声で必死に話し出した。僕は子どもをあやすかのように相槌を打つ。
つい先ほど仲間の一人が死んだ。エクソシストとしても実力があり、人間的にも多くの人に好かれていた人だ。
彼はを守った。ああ、そうだ。は自分のせいだと泣いているんだ。
まだまだ弱い自分に腹が立つのと、もう二度と会う事が出来ない彼への想いで葛藤している。


「・・なんでっ?ア、アレン君は、な、泣かないっの・・?私が、弱い・・だ、け?」


死にたくない。生きていたい。けれど戦争を続けたくない。逃げてしまいたい。
彼に助けられて、そしてもう会う事が出来ないのに自分は生きられて。それなのに心のどこかでほっとしている。
まだ生きていられると。死んでいないんだと。自分の体を自由に動かす事が出来る。目を開けば世界は綺麗なままだ。
仕方がないんだ。もし万が一、彼がを助けていなかったら今頃はが死んでいたかもしれない。
そして、もしかしたら彼が助けなくてもは助かっていたかもしれないし彼もそしたら生きれていたかもしれない。
そんなの誰にも分からないんだ。戦争とはそんなものだ。平等ではない。とても不公平で醜いものだ。


「戦争なんて、嫌い・・よっ」

「誰も戦争が好きな人間なんていないよ。僕たちは平和を求めている」


でも、戦争というものがなかったら平和というものを知る事が出来なかったかもしれない。皮肉なものだ。
なんて、残酷なんだろう。僕たちは、エクソシストなんだ。立ち止まってなんかいられないんだ。
悲観しててはいけないんだ。生きている限り。


「さあ、帰ろう。みんなが、待ってる」



泣き止むまでの過程